口吸い【短編集】
わかったのはねぇ、シテル最中だったよ。
ほら、顔赤くなるでしょ。
意外に純情なんだからね、メグちゃん。
でもそうだな、唯一かもね、俺が強気なメグに形勢逆転する機会なんて。
でまぁ、男ならさ色んなこともしてみたいじゃない。
それでとりあえず、前は終わったから背中……………ってくるんと彼女をひっくり返したんだよ。そのときにね、わかったんだよ。
背中にね、キスマークだらけ。
前なんかひとつもなかったのに。
よっぽど、執着してたのかね。元カノに。
あれに気付かないってことは事が終わって、一眠りのときぐらいじゃないかな。
だからさ、待っている背中をねつねってやったりその上から噛んでやったりね。
…………嫉妬とかはしてなかったな。
ただ腹立たしかったから、合間合間に気付いてる的な言葉を言った気がする。
そのあとすぐ、別れたね。
妙に冷めたし、なんていうか別にいいかってね。
頭撫でてくれる?そう、………うん、そう。
温かいね、メグの手。
慰めてくれてるんだ、もう大丈夫だよ。
過去のことだしね。
でもね結構独占欲、強いんだ。俺。
だから、聞くけどーーーーこないだの抱き締めてた男は誰?
見ちゃった。わかってるよ、でもね。
理由聞きたいし、もしかしたら納得できないかもだけど。
全部聞きたい。
答えないなら、答えるまでゲームしよっか。
ね、メグ。
猫は自由かもしれないけど、
飼い主は俺だから。
そこ、間違えたらダメだよ。
end
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