口吸い【短編集】
22*オモヒデ《脛、服従》
「センセー、今日保健室の先生いないので手当てしてください」
ガラリ、と物理講義室に訪れた生徒はにこりとも笑わずにそんなことを言った。
短いスカートで露出している足の脛に大規模な擦り傷があった。血が流れて、上履きにも付着している。
ていうか、保健室は一階でここは四階だ。
あまりの血の多さに顔をしかめる。
「お前どうしたらこんなに怪我するんだ?」
「授業のサッカー」
女子高生ってこんなに熱くサッカーするものなのか?
思わずため息を吐く。
「お前は女の子だろ。ほら、そこ座れ」
「あっ、ふっかふかのソファーだー!わーい!」
「おいこら飛び込むな!」