口吸い【短編集】
「………やっぱり変態じゃんか」
不穏な気配を感じて慌てる。
「どこがだよ!」
「疚しいものを感じるんですけど」
ギクッ。分かりやすく体が傾いてしまう。
「ほらっ、やっぱり」
まぁ先生も大人でロリコンだしね。と余計な一言を付け足され、ここで開き直るわけにはいかないので「勝手に言ってろ」とそっぽを向いた。
それにしても、と思う。よくサッカーでこんな大きな怪我をするな、と。
「消毒液いくぞ」
痛いだろうな、と思いながら迷わずぶっかける。手厚く?そんなもの俺の辞書にはない。
心なしか目が潤んでいるような………
「先生、鬼」
本気で痛そうなもんだから、ティッシュで、たれる消毒液を優しく拭き取る。
傷口を壊れ物を扱うように触れていると、彼女はにんまり笑った。
「先生、今、ノーパンっていったら、どうする?」