先生のお嫁様は高校生
それから何回殴られたんだろう。
終いには、外に出された。
「お金ならやろう。
だから二度と、俺に恥をかかさないために、ここに来るな」
あぁ…、あたし、捨てられたんだ。
唇が切れて、鉄のような血の味が広がる。
「ケホッ…」
今日はどこへ行こう。
どこか泊めてくれないかな…。
「比嘉さんっ!」
嘘…なんで先生が…
「あたし…捨てられちゃった…。
もう、帰る場所…ない…」
「来てください、俺と一緒に」
動く気力のないあたしを抱き上げて、車にはこんでくれた東条。
車に乗って、東条が向かった場所…は。
市役所、だった。
「ちょっと待ってろ」
そして東条は、何かを持ってきた。
「俺の家でいいよな?
他に行くところないでしょ」
そう言って、車を走らせた。
「到着」