あの頃より きっと。

質問




***彩穂side***




「…―やほ!」





遠いところで声がする。

風磨の声だ。

風磨の背中が一歩前にある。

待って風磨、今追いつくから。

必死に走って、息をきらして、やっと風磨の隣に追いつい……た?

あれ、風磨?今風磨は確かに隣にいた。

この一瞬でどこへ行ったの?

顔を上げると、ずっとずっと前に風磨はいた。

何十人もの友達に囲まれて。

待っててね、すぐに追いつくからね。

私がすぐに隣に行くんだよ。

それなのに…なんで?

風磨はどんどん遠ざかっていく。

追いかけているのに。

待ってよ、風磨。

風磨ってば……――

< 109 / 477 >

この作品をシェア

pagetop