あの頃より きっと。
質問
***彩穂side***
「…―やほ!」
遠いところで声がする。
風磨の声だ。
風磨の背中が一歩前にある。
待って風磨、今追いつくから。
必死に走って、息をきらして、やっと風磨の隣に追いつい……た?
あれ、風磨?今風磨は確かに隣にいた。
この一瞬でどこへ行ったの?
顔を上げると、ずっとずっと前に風磨はいた。
何十人もの友達に囲まれて。
待っててね、すぐに追いつくからね。
私がすぐに隣に行くんだよ。
それなのに…なんで?
風磨はどんどん遠ざかっていく。
追いかけているのに。
待ってよ、風磨。
風磨ってば……――