あの頃より きっと。
「何寝起きに人の名前叫んでんだよ…意識あったのか?」





それでも私は何が何だか分からなくて、呆然としたままだった。





「…遠くに行っちゃう……」





「ん?」





その声はあまりにも小さすぎて、風磨には届いていなかった。

そこで風磨と目があった私は、やっと現実に戻った。





「あっ…!ごめん、ちょいとボーッとしてた…えーと、なんで私ここにいるんだっけ?」





私がそう言うと、風磨は呆れてため息をついた。
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