あの頃より きっと。
低めだけど明るいトーンの声が、麻紀の頭上から降ってきた。

その声は、悠心の声だった。





「坂岡くん、おはよう。美優は日直で、彩穂は保健室」





そっかぁ、と頷きながら悠心は口を閉じた。

そして、麻紀が机の上に広げていた教科書を見てから、

視線をまた麻紀に戻した。
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