あの頃より きっと。
2人は、そう言ってから慌てて口を押さえた。

なぜなら彩穂は、静かに寝ていたからだ。

スー、と小さな可愛らしい寝息を立て、唇を薄く開いて呼吸をしていた。

あまりにも無防備すぎるその寝顔に、2人はなぜかキュンとした。

冷静になるために、美優がわざと咳払いをすると、

麻紀に小声で、起きちゃうよ、と言われたが、彩穂は全く起きる気配がなかった。
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