あの頃より きっと。
「そうなんだ、じゃあ一緒に帰れるんだね」
風磨と玲奈は、誰もいない風磨のクラスの教室で話をしていた。
夕焼けに染まった教室は、2人きりの会話を優しく包む。
「そうだな」
風磨は優しく玲奈に微笑んだ。
目線を玲奈に合わせると、何かを言いたげにしていた。
「本当に、こんなすぐにタメ口でいいの?」
肩を越した黒い髪の毛に、1年生の割には短いスカート。
そんな姿の玲奈が、不安そうに言った。