あの頃より きっと。

懸念

バスケットボールコートの近くのベンチに腰掛けたままの彩穂は、気になっていたことを雷に聞いた。





「風磨って…いつから玲奈ちゃんと知り合いだったんですか?」





雷は、考えるようにして腕を組んだ。





「中学後半だったはず…ほら、風磨その頃、自転車で登校するようになったじゃん」





彩穂は、その事実を思い出して頷いた。

そういえば風磨は、中学の後半は自転車で登校していた。

今となってはもう果たせない現実だが、荷台にのっていたのはあの頃だった。
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