あの頃より きっと。
「好き」





唐突に発された言葉を聞いて、風磨は目を丸くした。





「あっ…、ごめん!いきなりこんなこと言っちゃって…」





慌てる玲奈は、目を泳がせていた。

風磨は、玲奈がどうしたらいいかわからないという様子を察した。





「知ってる」





風磨が、玲奈に顔近づけてそう囁いた。

その声が、玲奈の耳の先までを熱くした。





「つか、俺もだし」





風磨は、硬直した玲奈を残して元来た道を帰っていった。
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