あの頃より きっと。
公園でしばらく話をして、その場で解散した彩穂と雷は、それぞれ自分の家に戻った。

彩穂は、雷に感謝していた。

雷がいなかったら、今頃自分はどうしていたんだろう。

多分、泣き崩れることしかできなかった。

雷がいても、何度か涙を流してしまったけど、いなかったらもっと泣いていたに違いない。

彩穂は暗くなった空を見上げながら微笑んだ。

そして、視線を前に戻した瞬間、驚きすぎて言葉を失った。
< 231 / 477 >

この作品をシェア

pagetop