あの頃より きっと。
第六章
情緒
「おはよぉー……」
翌日、猫背気味で教室に入った彩穂は、相変わらず勉強をしている麻紀を驚かせた。
「ちょっ…大丈夫?!」
冷静な麻紀も慌てるほど、彩穂の様子は変化していた。
昨日は、彩穂が風磨を追いかけてからお互いに会っていなかった。
「だぁーいじょうぶー…だと思うー……」
「いや絶対大丈夫じゃないでしょ!」
麻紀は席を立ち上がって、自分の席に彩穂を座らせた。
彩穂は、椅子に座るとすぐに額を机につけ、ため息をついた。
「玲奈ちゃんに告られてた…オッケーしてた…」