あの頃より きっと。
その瞬間に、彩穂に笑顔が咲いた。

麻紀は、思わず涙が溢れそうになった。

どうして風磨は、あの子を選んだのだろう。

彩穂は、あの子よりも風磨を理解している気がする。

それでもその意見は、他人の意見に過ぎない。

周りが何か言って変えられるような、そんな関係ではないのだ。





「彩穂は…強いよ。私ちゃんと支えるし、何でも言ってね」





麻紀がそう微笑むと、彩穂は涙を隠すように頷いた。

その後教室に入ってきた美優が、話を聞いてもらい泣きした。

それでも最後は笑って、彩穂の背中を押した。
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