あの頃より きっと。
「…俺はあのあと、宮岸と話した」
雷はそう言って、今日始めて風磨の顔を見た。
すると、風磨も雷を見ていた。
風磨は鋭い目つきで、雷を睨む。
雷も負けじと睨んだ。
コイツ、何考えてんだよ。
親友ではあるがわからない部分が多い2人は、水と油のような面もあったのだ。
「ソレを俺に言ってどーすんだよ」
そう言ったまま雷を睨むと、机の上に置いてあった風磨の携帯電話が振動するとともに、着信を伝える曲が流れた。
手にとった風磨は、教室の外へ出て行こうとした。
よくある光景に、雷は慣れていた。
「ココア」