あの頃より きっと。
涙を流しながら話す麻紀は、本当に別人のように見えた。

しかし考え方も想いも、いつもの麻紀のままだった。

麻紀は、やはり支えきれない想いを抱えていた。

彩穂も涙を流した。

どちらの意見に同意したらいい?

どちらの話にも意見すべきなのか。

それとも、ここは口出さないべきなのか。

何もできないから苦しい?

違う。

何かをするための手段が見つからないから苦しいのだ。
< 266 / 477 >

この作品をシェア

pagetop