あの頃より きっと。
笑いがおさまると、麻紀が風磨に目を合わせて、丁寧にお辞儀をした。





「桜木先輩、本当に…ありがとうございました」





その麻紀に続いて、美優も頭を下げる。





「ありがとうございました」





「なんで礼されんだよ。俺、割り込んだだけじゃん」





謙遜する風磨は、首を左右に振った。

一人取り残された彩穂は、どうしようか迷った。

普段、風磨に頭を下げるなんてことはないから、無性に照れくさい気がした。

それでも、本当に感謝している。

その想いは、届いて欲しい。

彩穂も、ゆっくりと頭を下げた。
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