あの頃より きっと。
「いや、ただここでお前を待ってたら、あいつら見たこともないくらいの喧嘩してたから、止めに入っただけ」
彩穂達に背中を向けていた風磨が、彩穂を振り返った。
その時、彩穂はあの光景を思い出してしまった。
『私、先輩が好きです。付き合ってください…』
『いいよ』
似ていると思った。
あの光景と、似ている。
彩穂は寒気を感じて、ベンチに置いたバックを持つと走り出した。
急に走り出した彩穂を追うように、麻紀と美優も風磨の前から去っていった。