あの頃より きっと。





「コイツ強ぇ…オイお前、引き上げるぞ!」





雷が男達を何発か殴ると、男達は逃げていった。

そこで止まっていた時間が動き出したかのように、彩穂にはっきりとした感情が戻ってきた。

そして、急いで雷に駆け寄る。

駆け寄る彩穂と目が合った雷は、肩で息をしたままだった。

彩穂が涙を流しながら、雷の頬に注目すると、そこには赤い傷ができていた。

殴られた跡は痛々しくて、彩穂は雷の腕を掴んだ。
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