あの頃より きっと。

不能


そう理解した彩穂の頬が雷の首筋に当たる。

雷はきつく抱きしめて、少し経ってから彩穂に囁くようにして話しかける。





「何もしなくていいから…こうしてたい」





彩穂は、どんどん頬が熱くなっていくのがわかった。

好きという恋愛感情はないはずなのに、異性に抱き寄せられているだけで熱くなった。
< 304 / 477 >

この作品をシェア

pagetop