あの頃より きっと。



「あっ…坂岡くんとは…イブに会うんだ…」





麻紀は遠慮がちに、そう言って頭を下げた。

あのトラブルがあってから、もう大分月日は経った。

あのトラブルというのはもちろん、美優の恋を応援していた麻紀が、途中で応援できなくなってしまった、とい話だ。

麻紀は悠心とうまくいっているみたいだったが、美優のことを気にし、悠心の話はあまりしなかった。

そんな態度に気がつく美優は、明るく微笑んだ。




「私たちのこと優先してくれるなんて嬉しい!坂岡くんとも、楽しい思い出作ってきてね」




彩穂は、その横顔を見て思った。

美優は、最近変わった。
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