あの頃より きっと。



自分もその中の一つ。

こんなに強く誰かを想っている人はこの世に溢れているだろうけど、風磨を想っている気持ちはこの世の誰にも負けない気がする。

彩穂が唇を噛み締め、眉を細めた時だった。





「彩穂」




幻聴かと思った。

さっきからずっと、頭の中で響いていた声と言葉だったから。

彩穂がまさかと思って振り返ると、体育館の入口に風磨が立っていた。

風磨を見た瞬間、全身が痺れた気がした。

どうして、ここに。

あの子はどうしたの――?

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