あの頃より きっと。





「風磨――」





彩穂は、風磨を呼びながら近寄った。

久しぶりに目の前にした風磨はやはり格好よくて、今すぐに飛びつきたい気持ちでいっぱいだ。

しかしそれは、許されないことだった。

今までは、何気なく風磨に飛びついて、冗談で怒られて。

そうやって笑って過ごしてきたのに。

考えれば考えるほど胸を締め付ける思考を、彩穂は無理矢理停止した。




「なんで、ここにいるの?」




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