あの頃より きっと。



そしてそのまま、その場を去ろうとした。

その背中を見た瞬間、彩穂にはどうにもできない感情が湧いた。



待って。

そういうことが言いたいんじゃない。

本当は、すごく好きだから――。

でもそれを伝えることが許されないから、こうすることしかできない。





「風磨!」





その一言に、風磨は立ち止まる。
< 346 / 477 >

この作品をシェア

pagetop