あの頃より きっと。





いつもの様に、何気なく放課後がやって来る。

彩穂は重たいバッグを持ち上げ、肩から下げると体育館へと向かう廊下を歩き出した。

部活動に行く生徒や、下校する生徒とすれ違いながら教室の前を歩き終えると、そこには長い渡り廊下が続く。

廊下の長さと同様に長い窓からは、雪が踊っている。

うっすらと木々に積もった雪は、彩穂の心の様に切なかった。





「宮岸」




彩穂がぼんやりと窓の外を見つめていると、背後から唐突に声がかかった。

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