あの頃より きっと。





「風磨…行けないって…」




やっぱり。

彩穂の予想は的中した。

雷に気がつかれないよう、目を閉じて力を入れ再び目を開く。

もう風磨のことは考えなくていい。

風磨のことを忘れられるように、頭の片隅にうずくまるものを削除したはずなのに。

それはやっぱり、まだ完全に削除されたわけではなかったみたいだ。





だって、風磨のことになるとこんなにも胸が疼く――。




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