あの頃より きっと。
彩穂も、いつもの様に額の汗を拭いながら壁に体重を預ける。
この大会が終わったら、麻紀や美優たちとクリスマスパーティーをしようと約束をしている。
そして、クリスマスが終わればお正月が来て、新しい年を迎える。
新しい年を迎えるということは、自分たちが最高学年になるということでもあり、それと同時に、大好きな風磨が旅立っていくことになる。
そこまで頭の中で考えてから、彩穂は自分にため息をついた。
ダメ、風磨のことは忘れるのだから。
彩穂は自分を戒めるように頬を両手で叩くと、立ち上がって練習を再開した。