あの頃より きっと。
ウインドブレーカーのポケットに手を入れながら歩いていると、思わず目を大きく見開いて驚いてしまう店を見つけた。
それは、パワーストーンの店だった。
彩穂はカバンから、常に持ち歩いているパワーストーンを出した。
それはもちろん、以前雷にもらったものだ。
赤いパワーストーンは、いつ見ても上品な輝きを放っている。
これを見つめるだけで気分が落ち着いて、ふと笑顔になってしまう。
そして、パワーストーンというくらいだから、何かいいことがあるのではないかと信じてしまう。