あの頃より きっと。
第八章
圧迫
今日は目覚まし時計をいつもより1時間早くセットして、いつもうっかりしてしまう二度寝を避けて目覚めた。
そう、今日は、全国大会当日。
彩穂はジャージに着替えて水を一杯飲むと、すぐにジョギングに出かけた。
朝の風はやはり冷たくて、動いていないといけないような気持ちにさせる。
ポケットには、あのパワーストーン。
そして、実はもう一つ入れているものがあった。
それは、美優にもらったアメだった。
彩穂が倒れて保健室で休んでいたとき、美優が枕元に置いておいてくれたアメだ。