あの頃より きっと。
すると、ちょうど着信を知らせる音楽が流れた。
ちょっとした奇跡と名付けても良いという位、あまりにもタイミングがよくて風磨は驚いた。
そして、通話を求める人物を確認した風磨は、ますます驚き目を細めた。
何故なら、そこには『雷』と示してあったからだ。
出ようか出まいか躊躇する。
鳴り響く音楽に耐え切れなくなった風磨は、携帯電話を耳元に寄せた。
「……もしもし」
風磨は愛想悪く台詞を吐き出したが、雷の返答がなかった。