あの頃より きっと。
「もー!危ないよー!」
すると、いきなり自転車が止まった。
いきなり止まったことによって、2人の重心は自転車の前方にかかる。
そして、風磨が憎らしいほど透き通った声で叫んだ。
「あー!!」
「何ー!!」
「俺忘れ物したー!!」
「はぁー?!」
風磨は方向転換をして、自転車を逆に走らせた。
今来た道を戻るなら、ここまで来た時間の分が無駄になる。
「ちょ!無理無理無理!遅刻するよ?!ちょっと!」
「悪いけど、付き合え!」
「いやぁー!!」