あの頃より きっと。
顧問はそれだけ言うと、彩穂に保冷剤を渡した。
彩穂は受け取って、ゆっくりと手を離す。
目の前には、ここまで一緒に歩んできた仲間が汗を流していた。
勝ちたい気持ちは、全員一緒だ。
一喜一憂、まさにこのことだ。
大丈夫、勝てる。
「みんな、頑張ってーっ!!!!!」
彩穂の大きな声は、部員全員の笑みを誘った。
応援席の麻紀、美優、雷も彩穂のことが心配で仕方がなかったが、そんな彩穂の姿を見て口角を上げた。