あの頃より きっと。



彩穂はそれだけを口にして、大好きな風磨の元へと駆け寄った。

風磨は玄関の外の壁に体重をかけ、寄りかかっていた。





「風磨…どうして」





その言葉を発した瞬間に、風磨の視線が上がって目が合う。

透き通った瞳を間近で見るのは、彩穂にとって久しぶりだ。





「わかんねーの?」





風磨が呆れたように微笑む。



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