あの頃より きっと。





「彩穂」





風磨はそう言って、顔にかかる前髪を避ける。

その仕草だけで心臓が破裂しそうになるが、平然を装う。

大好きな、大好きな、

大好きな人の前で。





「待たせてごめん」





「え」





曖昧な脳内を探る。

言葉が出ない。





「好きだよ」






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