あの頃より きっと。


時間が止まったかのように、何も聞こえなくなる。

彩穂の耳には風磨のその言葉だけがこだまして、徐々に意味を理解する。





「う、そでしょ…」





信じられない。

だって風磨には、あの子が。

きっと何かの間違いだ。





「玲奈じゃなくて」





人の心を察した風磨が囁くように言った。





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