あの頃より きっと。



「おい、あんまり騒ぐなよっ」





風磨が彩穂をなだめるように、頭をぽんぽんと叩く。

でも彩穂は騒がずにはいられない。

ずっと大好きだった人と想いが通じて、黙っていられる方が可笑しい話だ。

しかし彩穂はそこで、ふと考えついたことがあった。





「このタイミングで言うのもおかしいけどさ…風磨、平山先輩は…?」





その時だった。





「宮岸」





雷の声が、した。


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