あの頃より きっと。
雷が笑って小さな声で言った。
「仲いいなー」
その声は彩穂と風磨には聞こえていなかったけど、麻紀と美優には聞こえていた。
美優が雷の顔を覗き込んだ。
「仲良しですよね」
雷が頷くと、美優が続けた。
「さっきは彩穂、あんなに先輩のことで拗ねてたのになぁ」
「美優!」
余計なこと言わないで、というように麻紀が美優の名前を呼んだ。
美優は口を押えると、雷に慌てて微笑んだ。
「じゃあ、私達はお先に」
「じゃあね」