あの頃より きっと。
唐突
靴箱に到着した麻紀と美優は、靴を履きかえていた。
2人はこれから、有名なアイスクリーム屋に行くことにした。
アイスクリームが大好きな美優が、歌っていた鼻歌を止めて麻紀の耳元で囁いた。
「ここで待ってたら、坂岡くん来ないかな?」
麻紀が後ろを振り返ったが、悠心が来る気配はなかった。
「ってかさ、ホントに坂岡くんのこと好きなの?」
美優はつま先を床に打ち付けて靴を履いた。
そして麻紀を振り返ると、照れたように肩に首を擦りつける。
「好きっ」
「そっか、うまくいくといいね」
麻紀が靴を履こうと床に置いたとき、美優が麻紀の背後を見て口元を押さえた。