あの頃より きっと。
その瞬間、髪の毛が風になびいた。

夕焼けに染まった空を見つめると、空が笑いかけているような気がした。





「今度さ、風磨の自転車の後ろに乗りたい。前みたいに、学校に行くまで乗せて欲しいんだけど…ダメ?」





彩穂は下を向いて言い終えると、風磨を見つめた。

風磨も彩穂を見つめると目が合って、何気なく逸した。
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