敏腕美人秘書のみゆきさん ■
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「……ミユキ。この決算書…」
「あぁ。その書類関係は机の上と
コピーはカバンの中に入ってるわ。」
「……ミユキ、外回りにカバンは持ち歩かない。」
「そういうと思って、そこのファイルにもコピーをつづってあるわ。
そこの報告書も一緒にね。」
社長がいた。
先輩の深雪さんと一緒に朝から
机に向かっていた。
珍しい。
「おはよう。斉藤君。早いわね。」
「社長、深雪さんおはようございます。」
慌てて頭を下げる。
にっこりほほ笑む。相変わらずの美人だなぁなんて、見とれてしまう。
俺が遅いんではない
二人が異様に早すぎるのだ。
俺だって
一時間早く出社したのだ。
社長は
ちらっと俺のところをみて軽く手を挙げる。
相変わらず
無愛想で何を考えているのかよくわからない人だな。
「斉藤。昨日のデザインのカラー見本…」
「あっ。はい。すいません途中ですがーーー」
慌てて
机の中から取り出して
社長に渡す。
この仕事をやり残したから早く出社したのに
今日に限って社長と深雪さんがこんなに早いとは…