敏腕美人秘書のみゆきさん ■

社長の分のサンドイッチを渡しながら
深雪さんは楽しそうに笑った。

「だって、斉藤くんったら
 さっきの書類をしっかり机に出しておいてるもの。
 
 まだ終わってないようだったし…」

ふふふと優しく笑う深雪さんが
俺の入れたコーヒーをそばから
受け取った。




「・・・ミユキって
 有能な秘書だな。
 朝っぱらからわざわざ迎えに来るし。」

はぁーーと
ため息交じりで社長がつぶやく。

なるほど。
今日、社長が早いのは、
あさから深雪さんと一緒に来たわけか。

うらやましい。

なんて、素直に思ってしまう。


「褒めていただいてありがとうございます。社長。
 しかしながら、
 昨日のうちで終わらせるべき仕事がーーー」

冷やかに深雪さんが笑って
どさっと書類の束を
社長の前に並べた。

社長は、
「・・・めんどくせぇ」

と小さくつぶやいて、
机の上に頭を伏せた。




そのやり取りをみて
俺はくすっと思わず笑った。


深雪さんにはかなわないなーーー。
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