敏腕美人秘書のみゆきさん ■
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「なーにが。深雪さんにはかなわないな だよ。
 お前のがらなじゃねーー。」

あははとグラスを片手に
にやにやと笑う男。
俺の悪友。拓也だ。

「うるせーな。
 拓也こそ、年下のカノジョはどうしたんだよ。」

「あぁ?
 いつの話だよ。」

またにやりと笑って
拓也はグラスの中身をぐいっと飲み干した。


また別れたのか。


「ま。俺のことはおいといて、
 その美人秘書の深雪さんとはどうなんだよ、
 「斉藤君」?」

「拓也が斉藤君とかいうなよ。
 気持ち悪い。」

俺は紫がかったネクタイを軽くゆるめて
はぁ。とため息をつく。

実際ーー

俺は仕事が出来ない部下だしな。


今月に入って
社長を5回も逃がしたし。


「なんだよ。
 得意の、猫かぶりのかわいい後輩の仕草で
 美人秘書をメロメロにしていないのかよ??」


「メロメロとかって
 死語だな。」


拓也はまた楽しそうに笑って
から揚げを口に運んだ。

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