敏腕美人秘書のみゆきさん ■

***


会社に着いたら、
やっぱり
社長のイスは
からっぽで、
テレビはつけっぱなし。


テーブルの上には、
まだ湯気がでているホットコーヒー。



まったく、
これだけで
社長がどこにいったか
解るのかよ。


「ちっ。」

と、軽く舌打ちをする。


仕方ない。

入り口付近で
深雪さんを待つ。


すぐに
足取りも軽くご機嫌な深雪さんが入ってきた。


淡い色のスーツがよく似合う。

ふんわりと
風になびく髪。


あぁ。
今から、俺、
あの、綺麗な人に怒鳴られるんだろうな。


なんて、
ちょっと
心の中でため息をついてから、


「みゆきさーーんっ。」

出来るだけ、
困ったような声を出しながら、
彼女に近寄った。


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