敏腕美人秘書のみゆきさん ■
「なっ。何?どうしたの斉藤君。」
大きな目を
さらに大きくして、びっくりしたように俺を見つめる。
大方、
予想はしているだろうが
「社長が・・・」
というと、
さっと
深雪さんの顔色が変わる。
深雪さんって、
顔に出るよなーなんて、
冷静に観察しながら、
「社長に
にげられましたーーっ」
「斉藤!!」
ほら、怒鳴られた。
まぁ、
美人に怒鳴られると、
悪い気はしない。っていう俺のM部分。
でも、
一応、謝っておこう。
逃げられたっていうか、
むしろ、俺は見送ったって感じなんだけどな。
「すっ。すいません。」
何度か
申し訳なさそうに
頭を下げる。
深雪さんは、
怒りを飲み込んで
すこし落ち着いた声で、
心当たりを聞いてきたが、全くない。