敏腕美人秘書のみゆきさん ■
ミノルは
ナギサの年の離れた兄だ。
家も近くて
私とナギサが同学年だったから
よく面倒を見てくれた。
と言っても、
ホントに
優しく笑って私とナギサを見ている
そんな印象。
今は、
この日本料理屋さんで
板前さん。しかも料理長を任されている。
百合さんはーーー
「…ユリが死んでもう5年だね。」
ナギサがあっさり言う。
「…ナギサ。デリカシーなさすぎっ。
もう少し、
言い方っていうものがあるでしょ?!」
「ははは。
まぁまぁ、
みーちゃん、落ち着いて。」
私を、ミユキではなくみーちゃんと呼ぶのは
ミノルただ一人。
親でさえ そんな呼び方をされたことがない。