ありえへん!!




コートを羽織り社を出て取引先へ


今日の相手先は手強いから時間が掛かるだろう。


あ~営業は辛いよな。


――





ふぅ~


結局、戻ったのは就業時間をとっくに済んでいた。


ガチャッ!


「あ、先輩、おかえりなさい。ご苦労さ まです」


真瀬…まだ残ってたのかよ。


「お前、残業か?」


「いえ。これを」


真瀬に渡されたのは


「あ~サンキュー。ってか明日でもよかったのに」


俺が出かける前に任せた仕事。


「いえ、明日にはまた先輩、仕事を押しつけるだろうからやれる時に」


殊勝なことを言ってる中に然り気無く嫌味が入ってるように思えるのは俺の思い 過ごしか?


「先輩、どうしたんですか?」


いつもの犬のような顔を見ると…


ま、いいか。


「もう帰れるんだろ?」


「はい」


「ん。じゃあ飯食って行くか?」


「はい!」


即答かよ。


コイツがマジに犬なら絶対に尻尾を振りまくってんな。


いや、何か見えそうな気がする。


「先輩、どうかしたんですか?あ、それより先輩の方こそ仕事」


「ん?今日は終わり。そんなに毎日サービス残業してられっか」


「ハハハ…確かに」


「じゃあ行くぞ」


「はい」





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