ありえへん!!
「俺さ、親父の実家が奈良なんだよ」
「へぇ~関西なんですね」
「お袋は此方だし、親父も大学から此方だから殆ど標準語だったけど、怒鳴る時の親父は関西弁だったな。後はたまに奈良の家に行った時とかはやっぱり関西弁になってた」
やっぱりな。
「もうその親父も三年前に亡くなって…奈良の爺さん婆さんもとっくに亡くなってっから…ま、叔父とかはいるけどそんなに付き合いもないし」
「……」
どう声をかけていいのか。
「フッ お前いい奴だな」
「へっ?」
煙草を灰皿に押し付けて消し
「俺にどう言えばいいのかってその頭の中でごちゃごちゃ考えてる」
「……」
やはりやり手と言われるだけあって勘が鋭い。
…いや、俺が顔に出しすぎてるだけか。