天使と悪魔の恋の結末
第一条 人間に関心を持つべからず

出逢い

彼女と出逢ったのは、今から約三年ほど前。
僕は高校の入学式に参加していた。
新しい生活へ胸を高鳴らせるでもなく、校長の長ったらしい話が終わるのを少し苛立ちながら待っていた。いや、耐えていたと言う方が正直合っていると思う。

やっと長かった入学式も終わり、僕達新入生一同は各々に割り当てられた教室へと入って行った。


その時だ。
僕の目が吸い寄せられたのは――。


僕が自分に割り当てられた教室、一年一組へと足を踏み入れると、丁度中央の方の席に、僕より早く着席していた1人の女子生徒に目が留まった。肘ほどまで伸びた髪、身長や体型はほぼ標準的で、顔もずば抜けて可愛いという訳では無い。
でも、どこか儚げで、其処だけまるで空間ごと色素を薄くしたような、そんな不思議な魅力を、僕は感じた。


そうだ。
僕はこの時から、既に彼女の事を――
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