アシタのナミダ
静謐な部屋。





聞こえるのは機械の鼓動と呼吸のみの世界。





招かれたベッドには、いくつものチューブに繋がれたトキオが眠っていた。





ああ、生きている。





彼もまた、生かされている。





愛しさと同時に感じる複雑な思いを抱きながら、私は彼の手に触れた。





かすかに暖かい、だけど握り返してはくれない。





「……トキオ―――」





その代わりに、私が彼の手を強く握った。
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