アシタのナミダ
カレンⅣ
それから5日経った私の誕生日。
警察からやっと帰ってきたカレンの葬儀が営まれた。
私は気丈に振る舞うカレンのお義母さんを手伝っていた。
カレンは私に話してくれた。
今の母親はほんとうの母親ではなく、乳児院の職員だった義母が母から直接産まれたばかりのカレンを預かり、必ず引き取りに来ると約束したが戻らず、
翌日のニュースで母が交際相手を刺し飛び降り自殺をしたと知った。
身寄りもない母を義母は警察へ行き本人確認もした。
そして、カレンを育てていこうと決めた。
「ほんとうにお義母さんには感謝してる。事実を知らされてショックだったけど、今はありがとうって言いたい。恥ずかしくて言えないけどね」
お義母さんは私がそう話すと、
「ずっと話すべきではなかったと後悔していたから、そう思っていてくれたなら嬉しい。だけどカレンを守れなかった。母親と同じ過ちを繰り返すなんて」
見上げる遺影のカレンは私と若間さんの三人で一緒に撮った最後の写真だった。
「お義母さん、斎場の方が呼んでましたよ」
喪服姿の若間さんが静かに現れた。
「ありがとう。若間君」
例え血が繋がっていなくても、彼女はカレンの母親なんだと後ろ姿に感じた。
警察からやっと帰ってきたカレンの葬儀が営まれた。
私は気丈に振る舞うカレンのお義母さんを手伝っていた。
カレンは私に話してくれた。
今の母親はほんとうの母親ではなく、乳児院の職員だった義母が母から直接産まれたばかりのカレンを預かり、必ず引き取りに来ると約束したが戻らず、
翌日のニュースで母が交際相手を刺し飛び降り自殺をしたと知った。
身寄りもない母を義母は警察へ行き本人確認もした。
そして、カレンを育てていこうと決めた。
「ほんとうにお義母さんには感謝してる。事実を知らされてショックだったけど、今はありがとうって言いたい。恥ずかしくて言えないけどね」
お義母さんは私がそう話すと、
「ずっと話すべきではなかったと後悔していたから、そう思っていてくれたなら嬉しい。だけどカレンを守れなかった。母親と同じ過ちを繰り返すなんて」
見上げる遺影のカレンは私と若間さんの三人で一緒に撮った最後の写真だった。
「お義母さん、斎場の方が呼んでましたよ」
喪服姿の若間さんが静かに現れた。
「ありがとう。若間君」
例え血が繋がっていなくても、彼女はカレンの母親なんだと後ろ姿に感じた。